
レストランで働く現役ソムリエが考える、お食事に合わせて楽しむノンアルコールドリンクのレシピです。甘さを控えた味わいで、なおかつ季節感のあるドリンクでお食事がより楽しくなるといいな、と思います。
5月、スーパーなどで店頭に青梅が並び、「梅仕事」なんていう言葉が聞こえる時期です。今回は「梅」をテーマに、既製品のシロップを使用したノンアルコールカクテルをご紹介します。
材料に使用する梅シロップは、甘味が強くなく、心地よい酸味が前に出た味わいです。今回のカクテルは、その梅シロップを、高知県産の「黒文字茶」で割って作ります。清涼感のある黒文字茶で割ることで、甘味はさらに控えめとなり、炭酸も加えてシュワっとした爽やかな味わいです。
とはいえ梅は完熟の梅ですし、ほどほどボディのあるドリンクでもあるので、食前酒としてだけでなく、食中にもお楽しみ頂けます。さっそく作り始めましょう。
★モクテル「梅&黒もじ茶」の材料(1杯分・約100cc)

・のんある®とろとろの梅酒 32g
・黒文字茶(抽出したもの) 32g
・スパイス入りビネガー 数滴
・強炭酸水 36g
(*材料の単位は、はかり1つで簡単に作れるように、グラム表記にしています)
★材料についての補足
・「のんある®️とろとろの梅酒」について
奈良県の春日山酒造さんから発売されている、梅シロップです。アルコール入りの梅酒の「とろとろの梅酒」のノンアルコールバージョンとして登場しました。本家の梅酒と同じく、ボトルには花札のデザインがあしらわれています。
原材料は奈良県・西吉野産の完熟梅果肉、砂糖、蜂蜜です。筆者は奈良市内のとある和食店で出会い、その控えめな甘さと酸味でとても好きになりました。ネットでも購入可能なのと、常にではないと思いますが、雑貨を扱う「中川政七商店」の実店舗でも取扱いがあるようです。

・黒文字茶
黒文字茶は、クロモジという樹木の葉と枝から作られるお茶です。クロモジは日本固有の、クスノキ科クロモジ属の落葉低木で、枝を折ると爽やかな香りがするのが大きな特徴です。
清涼感のある香りをもつクロモジは、その枝が楊枝に加工され、お茶席などで和菓子に添えて出されることでご存じの方もおられるでしょう。
今回使用している黒文字茶は、高知県の四万十川源流域で育つクロモジの葉と枝が使われています。筆者は高知県のアンテナショップで出会いました。ふつうに抽出して飲んでも、清涼感が清々しい和製ハーブティーとして、とても美味しく頂くことができます。
箱の説明書きにおおよそ従い、ティーバッグ1個を128ccのお湯で抽出します。(箱の説明に忠実に従えば1杯が120ccですが、128ccのお湯で抽出すればティーバッグ1つでモクテルを4杯作れますので、筆者はお湯128ccで抽出しています。)


・スパイス入りビネガー
ビネガーは、あればリンゴ酢がおすすめです。今回はリンゴ酢が手元にないので、角のない味わいの、熟成赤ワインビネガーを使用しました。ドリンクの材料として使う前に、一晩くらい、スパイス(シナモン、八角、赤唐辛子、クローブなどお好みで)をビネガーに漬けておきます。ピリッと辛い感じを出したいので赤唐辛子を使用していますが、苦手な方は外して下さい。
写真がわかりにくくて申し訳ないですが、筆者はビネガーを小瓶にとり、そこでスパイスと合わせています。



★モクテル「梅&黒もじ茶」の作り方
【下準備】
材料は冷やしておきます。氷を入れずに作るドリンクですので、事前に冷蔵庫でよく冷やします。
黒文字茶は抽出し、冷やしておきます。ビネガーはスパイスを浸漬しておきます(ひと晩くらい)。ビネガーは1杯の使用量が数滴ですので、必ずしも冷やさなくてOKです。
【組み立て】
材料を容器に全て入れ、混ぜ合わせます。入れる順番はどれが先でも構いませんが、強炭酸は最後です。炭酸を入れる前にマドラーなどで材料を混ぜて、炭酸を入れたら、最後にもう一度軽く混ぜます。炭酸が抜けるのを防ぐために、炭酸を入れたあとはあまり混ぜません。用意しておいた提供用のグラスにドリンクを注ぎます。
材料を合わせる容器として、筆者は画像のような透明のプラカップを使用しています。

季節の梅を使ったノンアルコールカクテルの完成です。お口に合いますように✨
