レストランで働く現役ソムリエが考える、お食事に合わせて楽しむノンアルコールドリンクのレシピです。
甘さ控えめかつ季節感のあるドリンクで、お食事がより楽しくなるといいなと思います。
やさしい和梨の味で過ぎた夏を思い返し、金木犀の香りで秋を感じる…今回はそんな組み合わせです。
梨のデリケートな香味や食感を活かすことを大事にして、他の材料には主張の強くないものを選びました。
香りと味わいの補強にノンアルコールのジンとスパイスをプラス、麹の甘酒を少し加えることでボディを強めています。

★モクテル「和梨と金木犀のジントニック」の材料(1杯分・約100cc)

- 和梨ジュース(★の材料を1日以上浸漬したもの) 48g
- ノンアルコールジン「GINNIE」6g
- こうじ甘酒 10g
- トニックウォーター 36から42g
- ⭐︎金木犀の花(乾燥) 適量
- ⭐︎レモングラス(乾燥) 適量
- ⭐︎スパイス(カルダモン、白胡椒)適量
*キッチンスケール1つでささっと軽量できるよう、単位はグラム表記にしています。
★材料についての補足
●梨ジュース

既製品のジュースを使用しています。はじめはフレッシュ(生の和梨)ではなく、生で色々実験しましたが(すりおろしたり、ブレンダーにかけたり)、変色防止のレモン果汁とのバランスや質感のコントロールが難しく、和梨100%のジュースに切り替えました。
今回使用したのはゴールドパック「和梨ジュース」(160g/1缶)です。
事前準備で、ジュースにスパイスと金木犀の花を浸漬します。下記「下準備」のステップでご紹介しています。
●ノンアルコールジン

今回使うノンアルコールジンは「GINNIE」です。
日本・東京発で、スタンダードなジンの材料としても定番のジュニパーベリーや、
6種類のハーブ、ジャスミン茶、橙やクロモジなど独自素材を合わせて蒸留された、ドライタイプのノンアルコールジンです。梨のデリケートな香りに寄り添って複雑味を加えてくれます。
●麹甘酒

お好きなものでOKですが、筆者が選ぶポイントにしているのは「麹のつぶつぶの量と細かさ、甘味」=麹の粒が小さい、少ない、甘み控えめがGOOD、です。
麹甘酒は甘さや香が強すぎる商品もあるので、比べてこちらを選定しました。
麹の粒子が粗かったり量が多いと、飲んだ後のグラスに残って見た目を損ねると考えます。
飲む方にエレガントに楽しんでもらうことも大事なポイントと捉えています。
●トニックウォーター
苦味の少ないものをお勧めします。金木犀から苦味を感じる成分が出ますので、他の苦味成分は抑えます。筆者は、友桝飲料のもの、又は、CANADA DRYのものを使用しています。
●金木犀の花(乾燥)


お茶として販売されているもの(写真)を使用しています。茶と名前がついていますが、実際は乾燥にかけた金木犀の花で、お茶の成分は含まれません。凝縮した金木犀の香りがします。ティーバッグ1個あたり2gの金木犀です。
●レモングラス(乾燥)


お茶として販売されているものを使用しています。
金木犀と同じく、こちらも商品名に「Tea」とありますが、実際にはお茶成分はゼロ、乾燥のレモングラスが入っています。
ティーバッグ1個あたり2gのレモングラスです。
●スパイスーカルダモン、白胡椒
白胡椒は、できればキッチンバサミで2つに割ります。
カルダモンは外側の硬いサヤを割って中身を出します。サヤも種子も両方を使います。
★モクテル「梨と金木犀のジントニック」の作り方
【下準備】
和梨ジュースに⭐︎マークの材料(乾燥の金木犀の花少々、乾燥のレモングラス少々、カルダモン、粒白胡椒)を漬け込みます。
ジュース1缶が160gですので、一度の仕込みで1缶をまるまる使うとして、
カルダモン(粒大きめ)2〜3粒、白胡椒4粒ほど(ハサミで割ると良いです)、乾燥レモングラス1.5gほど(ティーバッグ1個弱)、金木犀1.3gほど(ティーバッグ0.5個ぶんと少し)を和梨ジュースに2晩ほど漬けて風味を移します。
チャック付き袋(ジップロックバッグなど)で材料を合わせ、できるだけ空気を抜いて封をしたら冷蔵庫で保管します。真空機をお持ちの場合は真空パックすると滲出が速くなります。
【組み立て】
トニックウオーター以外の材料を、蓋つきの瓶などに合わせて、氷を1〜2個入れて蓋をし、振って撹拌します。
ある程度混ざったらトニックウォーターを入れ、容器を2〜3回まわして炭酸をなじませます。
混ぜすぎると炭酸が抜けてしまうので、クルクルクル、くらいでOKです。



氷を外し、提供用のグラスに注いで完成です。美味しくお召し上がりください!
